モダンに進化した有田焼に出会う
伝統を継承しながらも、次世代に向けて進化し続けるのはどのブランドにとっても命題です。
伝統色が強いと思っていた、有田焼も未来に向かって進化していると「アリタセラ」内を歩いていて思いました。
数あるショップの中でも、特に感動したのが、「2016/」と「百田陶園」に並ぶ「1616」シリーズ。
ふたつは、異なるショップのようで、建築家の柳原照弘さんが携わっているので、モダンでミニマルな雰囲気が流れています。
「2016/」は海外クリエイターと有田焼の窯元がコラボ
「2016/」には、モダンな陶磁器が並びます。世界の16組のクリエイターの感性と、有田焼の魅力が融合。
「アリタハウス」のランチでローストビーフサラダの器も販売されていたので、購入しました。
こちらは、柳原さんが手がけたデザインで、「完全」と「不完全」を表現したものだそう。今までは失敗とみなされていた、釉薬のムラを生かしているので、シンプルななかに人の温もりを感じるデザインになっています。
古来から日本で伝わる「不完全の美」という「わび・さび」のマインドを宿しながらも、ここまでシンプルなフォルムに作り上げるセンスに脱帽です。
ギャラリーのような「2016/」の店内
素敵なカフェもあります
こちらのシンプルな黒い器を購入
「2016/」
https://www.2016arita-shop.jp/
「百田陶園」では、「和モダン」ライフを想像しながらお買い物
百田陶園は、オリジナルブランド「1616 / arita japan」に特化したショールームになっていて、美しい空間に陶磁器が並びます。
「1616 / arita japan」にも、柳原さんが手がけた器シリーズがあり、とても美しいので迷わず購入しました。
(ショップスタッフの方も、そのモダンなかわいさにはまり、たくさん購入されているとか)
こちらのシンプルな白い器を購入
「1616 / arita japan」のシリーズには、柳原さん含めて、国内外の4組デザイナーのアイテムが揃います。
「1616 / arita japan」の器には、エルメスのスカーフの柄を手がけるデザイナーさんも参加していて、前から注目していました。ピエール・シャルパンさんというフランスのデザイナーさんで、ポップなデザインが得意です。
「1616 / arita japan」シリーズは、東京の名ホテル「パレスホテル」のショップでも手に入ります。
1616年に日本初の磁器がつくられたことが由来
「1616」という数字は、1616年、現在の佐賀県有田で、日本で初めて磁器が作られたことに由来しています。数字というシンプルなものを名前にするのも、あえてメッセージを含ませない、柳原さんのセンスかと思います。
柳原さんのデザインした器は、とてもシンプルで美しく、食事を盛ることで完成するもの。「余白」のあるデザインだからこそ、どの国のライフスタイルにも溶け込みます。日本を飛び越えて、世界のライフスタイルを視野に入れた、新時代の「有田焼」は素敵の宝庫でした。
美しい「百田陶園」の店内
和モダンな空間が落ち着きます
「1616 / arita japan」(百田陶園に置かれた器シリーズ)